動画配信の人気が高まる中で、「より多くの視聴者にリアルタイムで届けたい!」という理由から、YoutubeとTiktokで同時配信をしたいと考える人が増えています。
でも、いざやろうと思っても「どうすればできるの?」「機材は何が必要?」「注意点は?」と疑問も多いはず。
実は、同時配信は工夫次第で可能ですし、ツールや配信スタイルによってはスマホ1台でも対応可能な場合もあります。
ただし、いくつかの注意点や配信環境の整備も必要です。
そこで今回の記事では、YoutubeとTiktokの同時配信のやり方をわかりやすく解説しつつ、必要な機材・ソフト・注意点についても詳しく紹介します。
同時配信ってできるの?基本的な仕組みを解説

まず気になるのが、「そもそもYoutubeとTiktokで同時にライブ配信なんてできるの?」という疑問。
実は、特定の条件やツールを使えば、同時配信は十分に可能です。
同時配信の基本的な仕組み
YoutubeとTiktokは、どちらもライブ配信機能を備えていますが、それぞれ配信の仕組みや求められる条件が異なります。
基本的に同時配信を実現する方法は、大きく2つあります。
複数デバイスを使う方法
スマホやPCを2台使い、別々に配信を行う方法です。
例えば、1台のスマホでTiktok、もう1台のPCでYoutubeというように、それぞれのプラットフォームで同時に配信を開始します。
設定はシンプルですが、端末の数やカメラ・音声の共有に工夫が必要です。
マルチ配信ツールを使う方法
OBS(Open Broadcaster Software)やStreamlabsなどの配信ソフトと、Restream・Melon・Castrなどのマルチストリーミングサービスを組み合わせることで、1つの配信映像を複数のプラットフォームに同時配信できます。
ただし、Tiktokでは一般ユーザー向けのRTMP(配信サーバー)情報が制限されているため、Tiktok Live Studioの利用や、事前の申請が必要になる場合があります。
同時配信に必要なモノ・機材一覧

YoutubeとTiktokの同時配信をするには、環境に応じた機材やソフトの準備が必要です。
ここでは、スマホで手軽に始める方法から、PCを使った本格的な配信スタイルまで、それぞれのパターンで必要になる機材やツールを一覧で紹介します。
スマホ2台でシンプルに配信する場合
最も手軽な方法が、スマホを2台使って、それぞれ別々に配信する方法です。
必要なものは以下の通りです.
・スマートフォン × 2台(Youtube用/Tiktok用)
・安定したWi-Fiまたはモバイル通信環境
・スマホスタンド(両方を固定して見栄えを整える)
・外付けマイク(音質を向上させたい場合)
・リングライトなどの照明(見た目が大きく変わります)
PC+配信ソフトで本格的に配信する場合
より高画質・高音質で、1つのカメラ映像を両方に同時配信したい場合は、PCと専用ソフトを使った方法がオススメです。
・パソコン(配信に十分なスペックのもの)
・ウェブカメラ or 一眼カメラ+キャプチャーボード
・配信ソフト(OBS Studio、Streamlabsなど)
・マルチ配信サービス(Restream、Castr、Melonなど)
・外部マイク(USBマイクやXLRマイクなど)
・有線LAN(安定した配信には有線接続がベスト)
TiktokにPCから配信するには「Tiktok Live Studio」や、RTMP配信の申請が必要な場合があります。
おすすめの同時配信ツール・ソフトは?

YoutubeとTiktokでの同時配信を実現するには、マルチ配信に対応したツールやソフトの活用がカギとなります。
OBS Studio(無料・高機能)
定番の無料配信ソフトで、高機能なのに無料で使えるのが魅力です。
マルチ配信には外部サービス(Restreamなど)と組み合わせて使用します。
・対応:Windows / Mac / Linux
・特徴:シーン切り替え、録画、エンコード設定など機能が豊富
・難易度:やや中級者向け
Restream(複数プラットフォーム配信に特化)
1つの映像を最大30以上のプラットフォームに同時配信できるマルチ配信サービスです。
・対応:OBSやStreamlabsと連携、またはブラウザ上で配信可能
・無料プランあり(有料で機能強化)
・注意点:Tiktokは公式RTMPが必要になるため、申請またはLive Studio経由で使用
StreamYard(ブラウザ完結・初心者向け)
ソフトのインストール不要で、ブラウザ上だけで簡単にライブ配信できるツール。
・対応:Youtube、Facebook、LinkedInなど(Tiktok連携は別途設定が必要)
・特徴:画面共有・ゲスト招待などが簡単、初心者に人気
・無料プランあり(ブランドロゴあり)
Tiktok Live Studio(Tiktok公式配信ツール)
Tiktokが提供する公式のPC向けライブ配信ソフトです。
一部ユーザーのみ利用可能ですが、PCからの配信には必須となっています。
・対応:Tiktok専用(RTMP配信が可能)
・OBSに近いUIで画面・カメラ・音声などを制御
・注意点:ダウンロードには招待制または一定の条件あり
スマホ1台で同時配信はできる?現実的な方法は?

「配信したいけど、スマホは1台しか持ってない…」という人も多いですよね。
実は、スマホ1台だけでYoutubeとTiktokへ同時配信するのは、現状ではかなり難しいのが実情です。
とはいえ、代替的な方法や近い形で配信するテクニックは存在します。
スマホ1台での「完全な同時配信」は基本NG
現時点で、スマホ1台から直接、複数のアプリに同時ライブ配信を行うことはできません。
YoutubeもTiktokも、アプリを起動してそれぞれ専用の配信画面を使用する必要があるため、アプリの切り替えができないからです。
代替案①:片方をミラー配信で映す方法
1台のスマホで配信しながら、もう一方の配信を別のデバイスでミラー映像として流す方法があります。
・スマホ → Tiktokでライブ配信
・PC → スマホの画面をキャプチャしてOBS経由でYoutubeに配信
これなら、実質的に1台のカメラ映像を2つの配信先に送ることが可能です(ただしPCや配信ソフトが別途必要)。
代替案②:カメラで撮影しながら、2画面同時録画 → 録画配信で対応
リアルタイム配信は難しいけれど、録画してからそれぞれのプラットフォームで「プレミア公開」や「ライブ風配信」を行うことで、似たような効果を出すこともできます。
代替案③:スマホ1台+ウェブ配信サービス(※条件あり)
一部の配信アプリ(例:Streamlabs Mobile)を使えば、スマホからマルチ配信ができるケースもあります。
ただし、以下の制限があります。
・TiktokはRTMP配信の権限が必要(誰でも使えるわけではない)
・スマホの処理能力や通信速度にかなり依存する
・コメント対応が難しい、アプリ安定性に不安あり
同時配信で気をつけたい注意点とは?

YoutubeとTiktokの同時配信は、より多くの視聴者にリーチできる魅力的な手段ですが、トラブルや配信事故のリスクも高まります。
通信環境の安定性が最重要
同時配信は2つの配信先に同時に映像・音声を送るため、通信量も2倍以上になります。
Wi-Fiが不安定だったり、モバイル回線が遅いと配信が途切れたり、音ズレや画質の低下が起きることも。
対策
・有線LANを使用する
・高速なWi-Fi環境の整備
・同時配信前に通信速度テストを行う
各プラットフォームの規約違反に注意
TiktokやYoutubeはそれぞれ独自のガイドラインを持っています。
例えば、TiktokでRTMP配信を行うには特定の条件(フォロワー数や申請)が必要です。
未承認で配信を行うとアカウント停止のリスクもあります。
対策
・Tiktokの配信権限(Live StudioやRTMPの条件)を事前に確認
・禁止コンテンツ・BGMの使用などにも注意
コメント対応が大変になる
2つのプラットフォームでコメントが同時に流れると、視聴者とのやり取りが分散してしまう可能性があります。
反応が遅れることで、視聴者の満足度が下がることもあるので、工夫が必要です。
対策
・コメント読み上げツールの導入(OBS + プラグインなど)
・一方の配信にコメント集中を促す呼びかけも有効
スマホの発熱・バッテリー消耗
スマホを2台使う方法や、1台で負荷の高いアプリを同時使用する場合、発熱やバッテリーの減りが早くなることがあります。
ライブ中の強制終了を防ぐためにも、以下を意識しましょう。
対策
・配信前にスマホをフル充電
・放熱対策(スマホクーラーや風通しの良い場所)
・モバイルバッテリーやAC電源接続の用意
音声・映像のズレやトラブルも起こりやすい
同時配信では、音声のタイミングがずれる、片方の映像だけフリーズするといった不具合も起きがち。
配信前のテスト配信やチェックが重要です。
対策
・事前にテスト配信で確認
・音ズレ時はOBSなどで遅延補正を設定
・予備の配信手段を確保しておく
まとめ
YoutubeとTiktokの同時配信は、うまく活用すれば視聴者の幅を広げられる強力な手段です。
ただし、配信環境や使用するツールによっては難易度や手間が変わってくるため、自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。
スマホ2台を使った方法なら比較的シンプルに始められますし、PCと配信ソフトを活用すれば高画質で本格的なマルチ配信も可能です。
一方で、通信環境やコメント対応、プラットフォームごとのルールなど、注意すべき点も多いので、事前準備はしっかり行いましょう。
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